通信制高校についていろいろ調べていると、よく目にする「通信制サポート校」。通信制高校を検討している方なら一度は目にしたことがあるかもしれません。
通信制ということで名前も似ているし、ニュアンス的にも同じように思ってしまいがちですが、通信制高校とサポート校というのは、法律的に見ても全く違うものになります。
このページでは、通信制高校とサポート校の違いを解説しながら、「サポート校とはどういうものなのか」を、その役割や活用の仕方から紹介していきます。
目次
通信制サポート校とは?
通信制のサポート校とは、学習面でのアドバイスや精神面でのケアを行い、通信制高校に通う生徒が無事に卒業できるようにサポートしていく施設になります。
分かりやすくいえば、勉強はもちろんのこと、心のケアを含め、その他のいろんな相談にも乗ってくれる、いわば教育学校のような存在ですね。
ただ、通信制サポート校は、通信制高校をはじめ、全日制高校や定時制高校と違い、学校教育法で定められている「学校」の定義にはあてはまりません。
そのため、サポート校で授業を受けたとしても、通信制高校の単位を習得することはできないですし、高校卒業という資格を取得することもできません。
通信制サポート校というのは、あくまで生徒を支援する「民間の教育施設」になりますので、通信制高校へ入学して、同時にサポート校に入学するというのが基本となっています。
どういう人が利用すればいい?
通信制高校とサポート校の最大の違いは、高卒の資格を得ることができるかできないかにありますが、違いが分かったところで気になるのがどのような人が利用すればいいのか?です。
通信制高校というのは、基本的に自宅などでひとりで学習するのが基本的なスタイルになります。そのため、自己管理能力がある程度は必要になってくるわけです。
しかし中には、ひとりでは上手く勉強を進めることができず途中で辞めてしてしまうケースや、卒業に5年以上もかかるというケースも少なくないんです。
通信制サポート校は、しっかり3年間で卒業できるように、学習面はもちろんのこと、精神面や生活面についてもしっかり支援してくれますからね。
1人きりだと勉強を進める自信がない、とにかく自習が苦手だという人は、ひとつの選択肢として、通信制高校と同時にサポート校の入学を検討してみるのが良いかもしれません。
サポート校に入学するメリット
通信制のサポート校に通う最大のメリットは、「高校卒業の資格を得る」という最大の目標を、より確実なものにすることができるということです。
普段はサポート校で支援を受けながら学習を行い、通信制高校ではスクーリングを受けたり、レポートや課題を提出することで、高校卒業のための単位を修得していくわけです。
サポート校のメリットはこれだけではありません。例えば、大学進学を目指している人なら受験勉強ができますし、専門的な技術や知識を学習できる環境が用意されていたりもするので、サポート校に通うことで、自分にあった環境を実現することだってできるのです。
なお、サポート校の中にはコースが分かれているところもあって、高校卒業資格を取得するコースをはじめ、専攻分野を習得するコースや高卒認定試験の合格を目指すコースなどもあります。
また、通信制高校は学校に通う機会が少ないですが、サポート校に通うことで学力アップを期待できるだけでなく、友達作りができたりとモチベージョンアップにもつながります。
サポート校の特徴
現在、日本全国で200校以上あるといわれる通信制サポート校ですが、役割などが分かってきたところで、もう少し詳しく解説していきましょう。
サポート校の運営について
サポート校を運営しているのは、主に、専門学校、大学予備校、進学塾や学習塾といった教育関連の学校になります。そのため、運営元それぞれの特色がいかされた学習内容となっていることが多く、これはサポート校の特徴のひとつといえます。
予備校が運営するサポート校には、大学進学を支援するコースがあったり、専門学校が運営するサポート校には美容関連の専門的な知識を学べるコースなどその内容は多種多様です。
一人ひとりへの手厚いサポート
サポート校では、少人数制を採用しているところが多く、講師が一人ひとりに気を配りながら学習支援をしてくれるというところも特徴のひとつになります。
講師は一人ひとりの学力や進度に合わせて細かくフォローしてくれるので、3年間という最短での通信制高校卒業を目指せますよ!
また、カウンセラーが常駐しているところも多く、不登校を経験したことで通信制高校に通う生徒や、中々学校に通うことができない生徒への精神面のケアなどに一役かっています。
全日制と比べて自由度が高い
自由といっても学校と同じように最低限のルールは守らなければいけませんが、サポート校は全日制高校と比較すると服装などの自由度が高い学校が多いのも特徴です。
制服を着たくなければ私服で通ってもOKですし、髪の色なども特に注意されることもないので、バイトなど生活する上で支障がなければ身なりについては自由に楽しめるでしょう。
なお、看護など身だしなみを整える必要がある専門分野を学習する場合を除きます。
サポート校の学費
冒頭でも説明しましたが、通信制サポート校に入学するには、通信制高校への同時入学が必要になりますが、それに伴い学費は別途でかかります。
ただ、サポート校の学費は「高等学校就学支援金の対象外」のため、国からの援助を受けることができません。登校の頻度によって費用は変わってきますが家計への負担は小さくないです。
そのため、入学については家庭でしっかり話し合って慎重に決めるようにしてくださいね。以下は、登校頻度でみたサポート校の平均的な学費になります。
週1で登校する場合: 約280,000円(入学金を含む)
週3で登校する場合: 約530,000円(入学金を含む)
週5で登校する場合: 約780,000円(入学金を含む)
サポート校の学費ですが、選んだコースなどによっても変わってきます。正確な学費については、各サポート校へ問い合わせして確認するようにしましょう。
まとめ
通信制高校を卒業する割合ですが、サポート体制が弱い公立だと40%を切るといわれています。いかに自分ひとりで学習することが大変なのかがうかがえますね。
この部分を見ると、サポート校に入学するメリットはとても大きいと思います。学費面だけ見ると高く感じますが、学習面や精神面などの支援も含め総合的に考えるようにしましょう。
サポート校でしっかり学習支援を受けることができれば、通信制高校は必要最低限のコースでも十分といえますからね。そうすることで学費も抑えることができます。
通信制サポート校を検討している方は、まずは、各サポート校の資料請求を行い、支援体制や学費などを比較検討してくださいね。学校によって内容やコースも変わってくるため、通信制高校と同様にしっかりと調べてから選ぶことが大切になってきます。
はじめに通信制高校を決めてから、それに応じてサポート校を利用するかどうかを決める場合も、資料やパンフレットなどを取り寄せてから検討するようにしてください。